第1種放射線取扱主任者試験(以下1種)に挑戦しようと思うけど、どうやって勉強しよう?
参考書高いし、失敗したくない!おススメの参考書はある?
実際に合格した人の勉強法を知りたい!
診療放射線技師を目指す学生さんの中には、こう思っている人もいるのではないでしょうか?
また、以前の記事では、1種に合格することで得られるメリットをお伝えしましたが、「じゃあ、どうすれば合格できるの?」と疑問に感じた人も多いと思います
そこで今回の記事では、大学2年生のときに1種に合格した私が行っていた勉強法・これから勉強を始める人におススメの参考書などをご紹介したいと思います
合格から数年経過していますので、参考書は最新版を実際に購入して検討しました
「1種に合格することで得られるメリット」はこちらをどうぞ
こんな人に読んでほしい!
- 1種に挑戦しようと思っている人
- 参考書選びで困っている人
- 1種の勉強法を知りたい人
勉強法の前に…知っておきたい2つのこと
今回、1種合格を目指す学生さんに向けて、有意義で正確な情報をお伝えするために、数年ぶりに参考書を見てみました
改めて思ったことは、初見では意味不明であり、参考書を見ただけで「やっぱり無理。やめておこう」と思ってしまう可能性がある。ということでした
しかし、大丈夫です。私が大学2年生のとき、初めて参考書を開いたときも同じことを思いました
では、なぜ諦めることなく、勉強を続けられたのか?理由は2つあります
強く決心する
1つ目は、『「1種に合格する」と強く決心した』ということです
「精神論で受かるわけない。そんなことより、勉強法のほうが大切でしょ」、と思う人もいるかもしれません
しかし、受験大国・韓国で社会現象を起こし、50万部のベストセラーとなった「勉強が面白くなる瞬間‐読んだらすぐ勉強がしたくなる究極の勉強法」の著者は
「欲望」と仲のいい人は、夢からだんだん遠ざかります。[中略]欲望は、「運よく手に入ればいいなという漠然とした願い」と言えるでしょう。
引用元:勉強が面白くなる瞬間‐読んだらすぐ勉強がしたくなる究極の勉強法
と言っており、「就活で有利みたいだし、1種に合格するといいな」という欲望をもつと、合格から遠ざかってしまいます
「必ず1種に合格するぞ」という、強い決意をもって臨んでほしいと思います
「勉強が面白くなる瞬間‐読んだらすぐ勉強がしたくなる究極の勉強法」の詳細はこちらをどうぞ
犠牲になるものも多いと覚悟する
2つ目は、「遊ぶ時間・友達と雑談する時間・SNSを見る時間など、楽しい時間が少なくなることを受け入れた」ということです
大学生といえば、バイトや友達との遊びなど、やりたいことがたくさんあると思います
特に目的はないけど、暇つぶしにSNSを見ている、という人もいるかもしれません
そんな、楽しい時間を0にし、勉強に100%集中しよう!、ということではありませんが
得られるものが大きいほど、犠牲になるものも大きい
ということは覚えておいてほしいと思います
合格率約30%の試験に挑み、就活での武器を手に入れたいならば、犠牲を払う覚悟が必要です
- 「必ず1種に合格するぞ」と強く決心する
- 犠牲を払う覚悟をもつ
合格を手にした勉強法
本題の、勉強法についてお伝えしていきます
私は
- 公益社団法人アイソトープ協会のHPに掲載されている「主任者試験問題と解答例」
- 放射線取扱の基礎【第1種放射線取扱主任者試験の要点】
を使用していました
これは、私が他の参考書と比較検討して選んだわけではありません
県の診療放射線技師会が主催する受験対策講座で、事前に準備するように言われていたものです
まずは過去問を見て、解答例も参考にしながら、「放射線取扱の基礎」で関連する記述を探しました
初めて過去問に取り組んだときは、当然ほとんど解けなかったので、「出題形式を知る。どんな知識が必要なのかピックアップする」ということを目的としました
そして暗記すべき内容はまとめ、理論は理解できるよう繰り返し読み込みました
暗記方法4STEPについては、別記事で紹介していますので参考にしてください
5年分の過去問に目を通した後、もう一度過去問を解きました
このときは、ある程度知識をインプットした後なので、「力試しに解く」ことを目的としました
ここでも、暗記できていなかった部分や理解しきれていなかった部分は再度確認し、知識が定着するようにしました
この流れを繰り返し行い、試験に臨みました
「一般的な勉強法と変わらないな」と思う人も多いでしょう
その通りです。特別な勉強法を知っていたから合格できたわけではありません
誰でも、合格するチャンスはあります!
ただ、「放射線取扱の基礎」は、580ページにわたって解説してあり、厚み・重さもあるので拒否反応が出るかもしれません
初めから「放射線取扱の基礎」のみで勉強するのは、ハードルが高いといえます
当時は比較検討することなく、指定された参考書を使用していましたが、もう一度勉強するとしたらどんな参考書を選ぶか、実際に購入して検討しました
初学者におススメの参考書
まだあまり知識のない初学者におススメするのは、
- 第1種放射線取扱主任者試験 重要問題集中トレーニング−3rd edition
- 第1種放射線取扱主任者試験 マスター・ノート−4th edition
のセットです
「重要問題集中トレーニング」には、試験を突破するうえで欠かせない問題が掲載されており、絶対解けるようになりたい問題・必須の知識が厳選してあります
「マスター・ノート」は、試験に必要な項目が網羅され、重要事項が凝縮されています
どちらも、重要問題・重要事項に厳選されているため、初学者でもとりかかりやすくなっています
第1種放射線取扱主任者試験 重要問題集中トレーニング−3rd edition↓
- 「解法ナビ」
解説だけでなく、この問題を見たらどんな道筋を立てればよいのか、解くにはどんな知識が必要なのか、がわかる - 図やイラストが豊富
イメージがしやすく、印象に残りやすい。公益社団法人アイソトープ協会のHPに掲載されている「主任者試験問題と解答例」には図やイラストはない - 「Check!」
関連知識もまとめて身につけられる - 「マスター・ノート」の参照ページが書かれている
マスター・ノートに、より詳しい説明・関連知識が記述されている。併用することで、合格をより確実なものとすることができる
第1種放射線取扱主任者試験 マスター・ノート−4th edition↓
- 「POINT」
各章が端的にまとめられ、必ず暗記・理解すべき内容がわかる - 図や表・イラストが豊富
図があることでイメージしやすく、初学者にもわかりやすいように工夫されている - 「合格のヒント」
よく出題される問題、覚えておきたい内容がわかる - 厳選されている
重要事項が凝縮されており、自分でまとめなおす必要がない
おススメ勉強法3STEP
参考書が用意できたら、どんどん勉強を進めていきましょう
そんな人におススメの、効率的な勉強法を3STEPでご紹介します
STEP1 「マスター・ノート」
「マスター・ノート」のおススメポイントでも書いたように、自分でまとめなおす必要がないほど、重要事項に厳選して解説されています
無駄のない一冊であり、「参考書に書いてあるから必死に覚えたのに、過去問では出題されていなかった」ということが起こりにくいです
そのため、まずは「マスター・ノート」を通読し、必要な知識を身につけましょう
各課目、いくつかの章に分かれているので、「今日はこの章まで読み進めよう」と決めておくと良いと思います
STEP2 「重要問題集中トレーニング」
読み終わった課目から、「重要問題集中トレーニング」を用いて、過去問に挑戦しましょう
過去問を1から解いていくのも良いのですが、その問題が「絶対解けるようになりたい、関連知識も頭に入れておく必要がある」問題なのか、「変化球的な問題であり、さらっと流していい」問題なのか判断が難しいです
効率的に勉強を進めるためには、イレギュラーな問題に時間をかけてしまうより、重要問題を、関連知識も含めて理解することに時間をかけてほしいと思います
「マスター・ノート」の参照ページが書かれているため、関連知識が記述されている部分を探し出す時間も省くことができます
STEP3 過去問
当然ながら、重要問題だけでは合格することができませんので、重要問題に重点をおきつつ、過去問も5年分は解くようにしてください
公益社団法人アイソトープ協会のHPに掲載されている「主任者試験問題と解答例」を利用すると良いです
その際、「マスター・ノート」だけでは十分な解説が得られないこともありますので、可能な限り「放射線取扱の基礎」も手元にあると安心です
過去問を解く→わからない・自信がない部分を暗記・理解しなおす
を繰り返し行ってください
5年分の過去問を、自信を持って解けるようになれば、きっと合格を手にすることができるでしょう
- 「マスター・ノート」で知識を身につける
- 「重要問題集中トレーニング」で重要問題を、関連知識も含めて理解する
- 5年分の過去問を解きまくる
どの課目から勉強する?
「マスター・ノート」では、
- 物理学
- 化学
- 生物
- 測定技術学 (1種の実務に該当)
- 管理技術学 (1種の実務に該当)
- 法令
の6課目に分かれています
と悩む人もいるかと思いますが、苦手課目からやると難解すぎてやる気を失う可能性があるため、得意な課目から始めることをおススメします
得意な課目なんてないよ!という人は、少しでも苦手意識の薄い課目から始めてみてください
ただし、法令は注意事項が2つあります
1つめは、法令が改正されていないか確認が必要ということです
過去問の正答と、現在の正答が異なる可能性もありますので、注意してください
2つめは、早く始めすぎないということです
法令は暗記が全てです。「エビングハウスの忘却曲線」をご存知でしょうか?
人間の脳は1度覚えたことを
1時間後には半分忘れ
1日後には7割忘れ
1か月後には8割忘れている
つまり、せっかく勉強しても、「復習しなければ1か月後には8割忘れている」ということです
こまめに復習できれば良いのですが、実際は他の課目もあり難しいですよね
暗記に費やした時間を無駄にしないためにも、短期集中で覚えることをおススメします
頑張るみなさんへ
1種の合格率は約30%であり、道は険しいですが、「意味不明すぎてつらい」時間を耐えて乗り越えてください
「やっぱりやめようかな」と逃げ出したくなることもあると思いますが、諦めないでください
過去問を繰り返し解くことで、合格へ確実に近づきます